(8) 関係代名詞
ふむ。
厄介な単元が来ましたね。
関係代名詞。
苦手とする人が多いところですね。
ここが一つ中学校英文法の分水嶺になるところだと思います。
ここから英語がよくわからなくなり、高校で挫折したという人も多いです。
今の段階でしっかりと使い方を理解しておきましょう。
(あまり聞きたくない話かもしれませんが、高校レベルになると「関係副詞」というこれまた厄介なやつが出て来ますよね。
TOEICなどにもよく出題されますが、正答率は決して高くありませんから、必ず覚えてしまいましょう。)
それではまず、例文を読んでから使い方を理解していきましょう。
①He is a boy who [that] likes playing soccer.「彼はサッカーをするのが好きな少年です」 ②This is a pen which [that] I bought.「これは私が買ったペンです」 |
関係代名詞を簡単に説明すると、もともと2つの文であったものを一つにする働きを持つ言葉のことです。
例文①を見てみましょう。これは本来2文からできています。
1. He is a boy.「彼は少年である」+ The boy (=he) likes playing soccer.「その少年はサッカーをするのが好きだ」
boyという単語が二つの文に共通していますから、ここに少し手を加えると1文にすることができます。
The boyを、関係代名詞という特殊な言葉で置き換えると、それが二つの文を接着する役割を果たしながら、説明を加えてくれます。
The boyを置き換えるのはwhoもしくはthatです。
どちらでも構いません。
ただし、この場合whoは「誰」という疑問詞ではありませんし、thatは「あれ・あの」という意味ではないということだけ理解しておいてください。
ここでの関係代名詞の働きは、The boyという名詞を代わりに受けながら、二つの文を関係付けます。
関係付ける代わりの名詞(=代名詞)ですから、関係代名詞です。
置き換えると、He is a boy「彼は少年である」+ who [that] likes playing soccer.「サッカーをするのが好きだ」となります。
文法用語では、関係代名詞以下で説明を加えられる言葉(ここではa boy)を「先行詞」と言います。
関係代名詞の前に来るから「先行」詞と言います。
(よくわからないという人は、このあたりは聞き流しておきましょう。)
いずれにせよ、もし、これをさきほどのように、He is a boy. The boy likes ~.なんて書いてしまうと、書き言葉としてはテンポが遅くなり、リズムも悪くなります。
多少稚拙な印象さえ与えてしまいます。
日本語と同じように、英語もコンパクトになることを好む言語ですから、無駄を省くという意識が働きます。
それでは続いて、例文②も2つの文に分解してみましょう。
This is a pen.「これはペンである」+I bought it.「私はそれを買った」となります。
二つの文に共通しているのはa pen = itです。
重複を避けるために(あまり単純な繰り返しばかりしていると、稚拙に聞こえてしまうことがあります)、itを関係代名詞which [that]で置き換えましょう。
関係代名詞は接着剤の役割もあったので、説明される単語の後ろに持ってきます。
そうすると、This is a pen + which [that] I bought.となります。
*関係代名詞はあくまで書き言葉向けの表現であって、口語ではあまり好んでは使われません。会話の中で使うと、形式張った響きがします。
*この段階ではwho, which, thatの使い分けをそれほど意識する必要はありませんので、とりあえずそのまま覚えてしまいましょう。どうしても気になるという人は、高校に進むと、次のような場合にthatが好まれるということを知っておくといいでしょう。「①先行詞が人以外で、the first, the onlyなど特定の一つのものを表すとき、②先行がevery, all, no, anyなどの修飾語を伴うとき、③人+人以外のものが先行詞のとき、④疑問詞whoの直後に来るとき、⑤先行詞が人の性質などを表し、関係代名詞が関係代名詞節の中で保護の役割を果たすとき」。ちょっと難しいですね。
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