中学校の段階で、to 不定詞というものを習いましたが、覚えていますか?
3つ用法がありましたね。
<名詞的用法>と<形容詞的用法>、<副詞的用法>と呼ばれるものでした。
高校では、さらにbe動詞を付けた「be to不定詞」というものを習います。
多少理解しにくいところがありますが、非常に便利な表現ですし、洋書を読んでいるとそれなりに出てくるので覚えておきましょう。
be to 不定詞
be to 不定詞というのは、助動詞に似た働きをすることで、特定のニュアンスを文に付加する表現です。
be to 不定詞には代表的な用法が5つあります。
それぞれ「予定」「義務・命令」「可能」「運命」「意図」と呼ばれるものです。
この説明だけではわかりにくいと思いますので、実際に一つずつ例文で確認していきましょう。
①The meeting is to take place in Tokyo.「会議は東京で開かれることになっている」<予定>*take place「開催される」 ②You are to show your passport at the airport.「空港ではパスポートを見せなければならない」<義務・命令> ③No one was to be seen in the room.「部屋の中では、誰一人見当たらなかった」<可能> ④She wasnever to return to her hometown.「彼女は二度と故郷に戻ることはなかった」<運命> ⑤If you are to study abroad, you had better save money.「留学をしたいのなら、貯金をしなさい」<意図> |
まず例文①ですが、is to takeの部分がbe to 不定詞に相当するところです。
「会議が東京で開かれる予定である」という意味を伝えます。

未来の事柄に関しては、be going toやwillという表現もありましたが、be to 不定詞を用いることができるのは「公の予定」の場合です。したがって、個人の予定などについては使うことができないので、注意が必要です。
例文②のbe to 不定詞は、「〜しなければならない」という<義務・命令>を表します。
この文では、空港ではパスポートの提示が義務付けられている、という意味になります。
例文③ではbe to 不定詞の<可能>と呼ばれる用法が用いられていますが、この用法が用いられるのは否定文、かつ受動態の場合に限ります。
例文でも、No one「誰も〜ない」という否定的な主語から始まり、was to be seen「見られなかった」という受け身になっています。
使われる場合はかなり限定されますので、出てきたらすぐに意味を把握できるようにしておきましょう。
例文④では<運命>と呼ばれる用法が使われています。基本的に例文にあるような「二度と〜しなかった」というものが多いですね。
最後に例文⑤の<意図>ですが、例文にあるように、if節の中で「もし〜したいのなら」という時によく使われます。
to 不定詞とは違うので注意!
このように、be to 不定詞にはto 不定詞とは異なり、独自の用法が存在していますので、頭の中で両者の用法を混在させないように注意してください。
おそらく一番厄介なのは、to 不定詞の<名詞的用法>とbe to 不定詞の<予定>でしょう。
念のため、両者を確認しておきたいと思います。
①My dream is to become a soccer player.「私の夢は、サッカー選手になることです」 ②The party is to take place tomorrow.「パーティーは明日開催される」 |
例文①では、to becomeがto 不定詞の<名詞的用法>に当たるものです。
この文はMy dream (S) + is (V) + to become (a soccer player) (C)の第二構文と呼ばれるものです。
一方、例文②は同じように文の構造を理解することもできますが、is to takeの部分がbe to 不定詞になっており、<予定>のニュアンスが生まれています。
tomorrow「明日」という時を表す副詞があることも、一つヒントになっていますね。
この場合、The partyはあくまで意味上の主語に過ぎず、重要なのはbe to takeの部分で「〜する予定である」という意味が生まれているということです。
このように、形の上から両者を見分けることは難しいですが意味が大きく異なりますので、読解をする際には細かく見ることが必要です。
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