前回、文型の基本的な仕組みについては学習しましたので、今日は少しだけ発展的なものをご紹介したいと思います。
(1) 第二文型SVC:Cがthat節の場合
He is tall.「彼は背が高い」という文は、SVCから成る第二文型と呼ばれる文です。
注意しなければならないのは、SVCの文で、Cは必ずしも単語(例文で言えばtall)だけではない、ということです。。
場合によってはthat「~ということ」に導かれる、S+Vを含む文のこともあります。
少し複雑ですので、例文で確認しておきましょう。
「文の中で、主語S+動詞Vの関係にあるもの」を「節」と言います。
①The fact is that he is my brother.「実は、彼は私の弟です」*fact「事実」 ②The problem is that we don’t have enough money.「問題は、私たちには十分なお金がないということです」*enough「十分な」 |
例文①は、The fact(S)+is(V)+that he is my brother(C)となっています。
つまり、The fact (S) = that he is my brother (C)の第二文型になっているのです。
このように、that「~ということ」は(C)に相当するブロックを作ることができます。
もう少し細かくthat以降を見てみると、he (S’)+is(V’)+my brother(C’)となっていますね。
主語(S)+動詞(V)を含んでいますので、このthatは節を作り上げているのです。
少し難しく言うと、このthatは節を含んだ「~ということ」という名詞に相当するので、「名詞節のthat」と呼ばれます。
例文②も同様です。
The problem (S) + is (V) + that we don’t have enough money (C)となっています。
類似の表現として、<The truth is that ~.>「実は~」というものもあります。よく使われますので、覚えておくと便利でしょう。
例文①で出てきたfact「事実」ですが、トランプ大統領になってから、盛んにfact-check「ファクトチェック」という言葉が使われるようになりました。ニュースや発言の内容が正しいものかを確認すること、という意味です。
同様に、類似表現で使われているturh「真実」という単語ですが、いまの時代はpost-truth「ポスト真実」の時代だと言われています。客観的事実ではなく、感情に訴えかけるものが世論を形成していく時代だということです。この言葉もトランプ政権が誕生してからよく使われるようになりました。
(2) 第三文型SVO:Oが疑問詞(wh-)節やif節の場合
第三文型SVOは目的語Oを取ることのできる文ですが、Oは必ずしも単語ではなく、主語+動詞を含む「節」と呼ばれるものの場合もあります。
例文を見て確認しておきましょう。
①I think that he is a good soccer player.「彼はすばらしいサッカー選手だと思う」 ②I don’t know whether [if] he is right or not.「彼が正しいかどうかはわからない」 |
例文①ではI(S)+think(V)+that he is a good soccer player(O)となっています。
このように、think「~だと思う」の目的語がthat「~ということ」という場合があります。
that以下を見てみると、he(S’)+is(V’)+a good soccer player(C’)というように、S+Vを含む文が展開されています。
thatが「あれ」という意味ではなく、「~ということ」と訳せる場合は、そのあとにSVが続きますので、SVOの文型だと理解することが重要になるのです。
例文②では、I(S)+(don’t) know(V)+whether [if] he is right or not (O)という構造になっています。
know「~を知っている」の目的語がwhether [if]以下になっているのです。
<whether ~or not>は「~かどうか(ということ)」という疑問詞whetherを伴う表現です。
また、ここでのif~or notも、「もし~ならば」ではなく、「~かどうか(ということ)」という意味で使われています。
ifが「もし」という意味なのか、それとも「~かどうか」という意味なのか判断しにくいときは、「~ということ」という訳を付けられるかどうかで判断するといいと思います(「~こと」と言えれば名詞的な意味ということですから、目的語になる、ということですね)。
whetherやifだけでなく、whyやwhereといった疑問詞も使われますので、同じように第三文型として理解してください。
whether「~かどうか」を、よくweather「天気」と間違える人がいますので、注意しましょう。