もしかしたらいま、
英語の勉強方法がわからず苦しんでいる
あるいは進路や仕事の選択において、
英語の勉強を続けたいのに、周囲に反対されて/環境的に、続けられなさそうで困っている
英語をどう仕事に結びつけていいのかわからなくて苦しんでいる
というひとがいるかもしれません。
何を隠そう、昔の僕がそうでした。
中学生になって、突然、英語を勉強しろ!と言われて、言われるがままに勉強を始めたものの、まったく勉強法がわからず…。
なんで嫌いなのに、こんなものを勉強し続けなければならないんだろう?と思っていました。
ところが、幸いなことに、ある時期から少しずつ成績が上向き始め、その後、仕事で英語を使うんだ!とまで思えるようになりました。
それでも、人生の分岐路で、ことごとく逆風に遭い、就職でも悩むことになりました。
何度も自分のやりたいことを諦めそうになりましたが、いまではなんとか希望であった英語を使った仕事に就くことができましたので、よかったなと思っています。
ということで今回は、僕がどうやって英語に対する苦手意識を克服し、仕事で使うまでになったのかということについて、少しお話をしたいと思います。
中学英語
初めて本格的に英語に触れるようになったのは、中学一年生の時でした。
突然、授業の始まりとともに担当教員から立ち上がるように言われ、
“Hello, everyone. How are you?”
という呪文(!)を聞かされました。
その後、即座に
“I’m fine, thank you. And you?”
と言うように指導され、
“I’m fine, thank you. Sit down.”
と教員が言ったら座るように教わりました。
自分が口にしている
“I’m fine, thank you. And you?”
の意味を理解しようとしてもいまいちわからないまま、無慈悲にも、授業は淡々と進んでいきました。
教科書に書いてある単語が、一つも読めませんでした。
りんご=apple、ペン=pen…。
小学校ではローマ字を習い、その表記で考えていたので、appuru、pennじゃないのはなんでだ?と混乱していました。
なぜ違うのか、当時はまったくわかりませんでした(汗)
*
英語とローマ字のズレに気付けないまま、あっという間に時間が経ち、定期テストの時期になりました。
テストでは自分史上初の、びっくりするほどひどい点を取りました(笑)
下から数えた方が早い順位でした。
「これではまずい!」と思い始め、まじめに取り組みましたが、なかなか成績も伸びず…。
いまならよくわかりますが、当時圧倒的に不足していたのは「学習時間」と「暗記」でした。
たしかに、語学における「習うより慣れろ」という方針は重要です。
でも、中学生(あるいは小学生)が英語学習で挫折しやすい理由は、英語に触れている時間が圧倒的に少ないからだと思います。
当時の私のように、授業でしか英語に触れることがないという生徒さんは多いはずです。
もちろん、塾や英会話教室に通っている生徒さんもいらっしゃるとは思います。
ですが、予習や復習をしない、あるいは動機づけが不十分ということであれば、どうしても学習量は不足しがちです。
当時の私は、取り立てて斬新な勉強法も知らなかったので、とりあえず自己流でもできる、教科書の丸暗記を採用することにしました。
最初はまったく覚えられなかったものの、テストのために覚えようと思い始めると、予想外なことに、好ましい副産物が生まれるようになりました。
まず、授業の受け方が変わり、理解が深まりました。
授業の説明で諦めてしまうと、自分一人ではいつまでもわからないままになってしまいます。
ですが、とりあえず覚えられそうなところだけは目星をつけておこう、と自分に引きつけて内容を解釈するようになると、自然と理解力と学習効率も上がりました。
授業後は、忘れないうちに教科書の読み直しを行いました。
いつまでもローマ字にこだわっていては、暗記できるものもできなくなってしまうことも、この頃には理解していました。
両者の違いにはあまり注意を払わず、まずは覚えるということに専心しました。
(いまの言葉で言えば、おそらく、積極的に「学び捨てる」(unlearn)という、自分の中の常識を手放すことをしたのだと思います。)
3ヶ月が経ち、半年が経ち…。
少しずつ覚えられる量も増え、理解も深まりました。
もちろん、一進一退の時期もありましたが、中学校卒業時には、それまでで一番いい成績をもらえるようになりました。
高校〜大学
高校に入ってからも基本的に学習方法は同じでしたが、暗記の作業を減らしてしまった時期は成績も伸び悩みました。
暗記に必要な時間を減らしてしまったことで、英語との接触時間も減り、理解力も落ちたというのが実情だと思います。
そこで少し気持ちを新たにしまして、なんとかそこで踏ん張って、大学には特待生として入学することができました。
ですが、この時に、英語を専門的に学べる学部への進学を、周囲からは反対されました。
もう少し実学的な学部に進んだ方がいいのではないか、と勧められることに…。
英語を中心的に学ぶような学部なんかに行ったら、就職も大変に違いない、と。
僕の周りのひとたちは、仕事で英語を使っていなかったので、そのような助言が出てくるのも理解できました。
英語ばかりやるよりも、ビジネスを専門的に学んだ方が将来に直結するのでいいのではないか、という考えだったのだと思います。
でも、説得はされたものの、自分の中ではどうしても違和感が拭えませんでした。
英語を学べば、国際社会や国際経済も理解しやすくなるのでは?
言語だけでなく文化的背景まで学ばないと、国際的な舞台での相互理解の達成は難しいのでは?
結論として、僕は自分を信じて、希望する学部への進学を決めました。
いまでもこの選択は間違っていなかったと思っています。
きっと他の分野に進んでいたら、ずっと後ろ髪を引かれたままだったと思います。
就職にしても、紆余曲折はありましたが、無事にすることができましたし、よかったかなと思います。
また、この時にはまだはっきりとは自覚できずにいましたが、
自分は挑戦者なんだ
ということを後年知ることになる、最初のきっかけになったのだと思います。
この気づきは、のちの自分の学習法を見直す上でも、とても重要でした。
*
在学中は、やはり日本での学習だけでは満足できませんでした。
そこで、短期留学に行くことに決めました。
しかし、この時もやはり周囲からの反対に遭いました。
なんで日本でも勉強できるのに、わざわざ海外になんか行く必要があるんだ。
危ないから、行かない方がいいだろう。
そんなことを言われたと思います。
なぜ反対されるのか正直わかりにくい部分もあったのですが、このままでは自分は成長できずに終わってしまう、という焦りの方が強くなりました。
周りに反対されても、実際にやってみなければわからないはずだ
と思って、悩んだ末にバイトで資金を貯め、渡航することに決めました。
費用の関係で短期留学しかできなかったのですが、結論としましては、行ってよかったと思います。
学校で習う英語と、生活の中で使う英語は大きく違ったからです。
この留学経験があったからか、この頃にはぼんやりと、将来は仕事で英語を使うんだろうなー、と思い始めていました。
同時に、大学で英語を教えるのもいいかもしれないなー、とも感じ始めていました。
まだまだ全然そんなレベルにあるはずはなかったのに、中学生の頃から比べると、だいぶ大それた野心ですね(笑)
ですが、自分の中で少しずつ将来の青写真がはっきりしてくるのがわかってきました。
それでもこのあと、また逆風に見舞われることになるのですが…。
大学院〜就職
就職活動が本格化する前に、就活セミナーに参加する機会がありました。
そこでなぜか強い意欲が湧いてきませんでした。
友人たちはみな就職…。
自分だけ別の道を選んでいいのだろうか?
ひとり、誰にも訊けない悩みを抱えるようになりました。
大学入学時、また留学時と同じように、周囲のひととは別のものに挑戦したい、という気持ちが湧き上がってきました。
そこで就職の代わりに、大学院進学を志すようになります。
当然ながらというか、また反対に遭いました。
いま就職しておかないと、将来就職できなくなるぞ。
大学院なんかに行ったら、研究で失敗するととんでもない目に遭うのに。
結局、また孤軍奮闘することになりました。
いま思い出してみても、よくこんな無謀な決断ができたな、と心臓がバクバクします(笑)
まったく後ろ盾のないような状況でしたから、本当に自分の人生を賭けた決断でした。
それからはまたバイトを増やして、院試の準備も始めました。
なかなか大変でしたが、結果、晴れて大学院に進学することができました。
この時は、授業料がそれなりに高額であったので、奨学金を借りることにしました。
奨学金を借りることに対し、抵抗がなかったわけではないのですが、それでも自分のやりたいことを実現するためには必要な手段なのだ、と思いました。
(後日談ですが、大学院での成績が評価され、借りていた奨学金の一つは返還免除になりました。
もう一つの方も、半額のみの返済に減額してもらうことができました。)
その後は、日本の大学院を休学し、イギリスの大学院にも進学することができました。
その後の就職活動は、独特なものでした。
就職先を大学に絞っていたため、一般的な就職活動のノウハウは通用しませんでした。
純粋な英語力だけではなく、研究業績も求められました。
アカデミズムの世界は特殊なので、就職に数年かかることもざらにあります。
僕は運良く、あるところに拾ってもらることができました。
なかなか大変でしたが…。
まとめ
振り返ってみて言えることは、毎回ということではないのですが、
何かに対して挑戦したいと思うのであれば、周囲の反対を押し切っても挑戦すべき時もある
ということです。
そして、ここからは少しコーチングの話になりますが、挑戦心のある人は、気質的に、実際に物事を体験してみないと腹落ちしないことが多いです。
ですので、周囲からの反対が理解しにくい時があります。
前提として、周囲で反対するひとは自分とは気質が違うのだ、ぐらいに認識しておくといいと思います。
体験をせずとも、深く理解し、納得することができるひともいるからです。
この気質の違いは、英語の学習法にもかかわってきます。
体験派のひとは、あまり座学ばかりをするのではなく、積極的に実践を積んでいってください。
そのために準備が色々と必要であったとしても、難なくできるはずです。
また、このタイプのひとは継続が得意です。
ですから、暗記にもコツコツ取り組むことができます。
安易に目先の結果を求めず、数(十)年単位の計画を作り、それに従って行動するようにしてみてください。
周囲に影響され、短期間での結果に一喜一憂する必要はありません。
時間がかかるとしても、たいていの場合、目標は達成できますから。
(他の気質のひとについては、また別の機会にお話したいと思います。)